1981年 トベルスキーとカーネマン

フレーミング効果

「生存率90%」と「死亡率10%」は同じ数字。それでも選ばれ方が変わります。

何の話か

有名な実験がある。600人が死ぬ病気への対策を2つ示す。

言い方A「200人が助かる」か「3分の1の確率で全員助かり、3分の2の確率で誰も助からない」。→ 確実に助かるほうが選ばれた。

言い方B「400人が死ぬ」か「3分の1の確率で誰も死なず、3分の2の確率で全員死ぬ」。→ こんどは賭けるほうが選ばれた。

AとBは、同じことを言っている。 変えたのは「助かる」と書くか「死ぬ」と書くかだけ。それだけで、多数派がひっくり返る。

なぜ起きるか

人は得の場面では慎重になり、損の場面では賭けに出る。

手に入るものの話をされると「確実に取りたい」と思う。失うものの話をされると「なんとかゼロにしたい」と思って、分の悪い賭けにも乗る。

同じ数字が、置かれた枠によって得にも損にも見える。 これがフレーミング(枠付け)と呼ばれる理由だ。

重要なのは、知っていても効くこと。この効果は、内容を説明されたあとでも消えにくい。

身を守る方法

1つだけある。同じことを逆から言い直してみる。

「今なら30%オフ」→「定価の70%を払う」。「成功率80%」→「5回に1回は失敗する」。「解約率が低い」→「続けている人が多い」。

言い直して印象が変わったら、そこが引っぱられていた場所だ。 数字は同じままなので、変わったのは自分の見え方のほうだと分かる。

身のまわりの例

  • 脂肪分25%と赤身75%

    ひき肉に貼るラベルの話。まったく同じ肉なのに、「赤身75%」のほうが美味しそうに見えて、実際に評価も高くなる。

    スーパーの表示は、たいてい良く見えるほうで書かれている。

  • 「1日あたり100円」

    月3千円のサービスを、日割りで見せるやつ。金額は同じでも、払う痛みが小さく見える。

    逆に売り手が損を強調したいときは「年間3万6千円のムダ」と書く。同じ数字を、都合のいい枠に入れ替えているだけ。

  • 手数料と割引

    カード払いに手数料を取るのと、現金払いを割引するのは同じこと。それでも「手数料」のほうが強い反発を生むので、多くの店が「現金割引」と書く。

持ち帰るとしたら

自分にかける言葉にも効く。 「まだ半分残っている」と「もう半分使った」。どちらも本当で、どちらを使うかは選べる。

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