認知バイアス・心理効果1968年 ロバート・ザイアンス
何度も見たものは、それだけで好きになる。最初は変だと思った曲が、3回目にはいい曲に聞こえる理由。
参加者に意味の無い文字列や漢字(読めない人向け)を見せる。あるものは1回、あるものは25回。あとで「どれが好きか」を聞くと、多く見たものほど好まれた。 意味も無く、良いところも無いのに。
別の実験では、一瞬だけ見せて本人が「見た」と気づかないようにしても、同じ結果が出た。何を見たか覚えていなくても、見た回数が好みに効く。
有名な話に、大学の講義に一言も話さない学生を潜り込ませたものがある。15回出席した学生は、5回の学生より、他の学生から好かれていた。
見慣れたものは、処理が楽。楽なものは、脳にとって「安全」に近い。知らないものを警戒するのは生き物として正しいので、その裏返しで、知っているものは好きに感じる。
ただし限度がある。 見すぎると飽きて、好みは下がる。効くのは「ちょっと見慣れた」あたりまで。広告が同じ人に同じものを何十回も見せると逆効果になるのは、これ。
もともと嫌いなものは、見るほど嫌いになる。効くのは、最初が「どちらでもない」もの。
新しいことを始めるときは、好きになる前に、まず回数を稼ぐ。 3回目まで判断を保留にするだけで、「合わなかった」と早く見切る回数が減る。
人付き合いでは、長く1回より、短く何回かのほうが距離が縮まる。会う長さより回数が効く。
逆に、自分が何を好きなのか分からなくなったら、「本当に好きなのか、よく見るだけなのか」と一度疑ってみる。よく見るものは、好きに見える。
3回目に好きになる曲
初めて聴いたときは変に感じ、3回目に「いい曲だ」になる。 曲は変わっていない。配信サービスが同じ曲を繰り返し流すのは、これを知っているから。
毎日すれ違う人
話したこともないのに、毎朝同じ電車で見る人は、なんとなく感じが良く見える。 講義に潜り込んだ学生の実験と同じ。
鏡の中の自分の顔
写真の自分に違和感があるのは、見慣れているのが鏡の左右反転した顔だから。実験では、本人は反転した写真を好み、友人は反転していない写真を好んだ。どちらも「見慣れたほう」を選んでいる。
持ち帰るとしたら
「好き」の何割かは「見慣れた」でできている。 それを知っていると、新しいものに3回目のチャンスをあげられる。
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