認知バイアス・心理効果1955年 シリル・ノースコート・パーキンソン

パーキンソンの法則

仕事は、終わらせるために与えられた時間をすべて使い切るまで膨らむ。 1時間でできることに1週間くれると、1週間かかる。

何の話か

イギリスの歴史学者パーキンソンが、雑誌「エコノミスト」に半分冗談として書いた随筆が元になっている。

例に出したのは、ひまな年配の女性が姪に絵はがきを1枚送る話。はがきを選ぶのに1時間、眼鏡を探すのに1時間、住所を調べるのに30分、文面を考えるのに1時間15分……と、忙しい人なら3分で済むことに、まる1日かかる。 本人はずっと忙しく、手を抜いたわけでもない。

彼はさらに、イギリス海軍では軍艦の数が減っていくのに、事務方の役人は毎年増えていたことを数字で示した。仕事の量ではなく、人と時間があるから仕事が生まれている、という皮肉だった。

なぜ膨らむのか

理由はいくつか重なっている。

締め切りが遠いと、始めない。 残り時間が長いほど「まだ大丈夫」の期間が長く、実際に手をつけるのは終わりのほうになる。夏休みの宿題が最後の3日に集まるのはこれ。

時間があると、やることが増える。 もう一度見直す、資料をもう1つ足す、表の色を整える。どれも無駄ではないが、最初の答えより大して良くならないことが多い。

「どこで終わりか」が決まっていない。 終わりの形が決まっていない仕事は、時間の終わりが仕事の終わりになる。

使い方

自分で短い締め切りを置く。 「今日の15時まで」と決めるだけで、1週間の仕事が半日で済むことがある。ポモドーロ(25分)が効くのは、ほぼこの理由。

先に「終わりの形」を決める。 「表が1枚、説明が3行」のように、何ができたら終わりかを書いてから始めると、膨らむ余地が減る。

ただし、何でも短くすればいいわけではない。 考える時間そのものが価値になる仕事(企画、文章、設計)は、短すぎると浅くなる。膨らんでいるのは「作業」なのか「考え」なのかを分ける。

身のまわりの例

  • 夏休みの宿題

    40日あっても、ほとんどは最後の3日で終わる。3日で終わる量だったということでもある。最初の37日は、ずっと「まだある」と感じながら過ごしていた。

  • 1時間の会議

    15分で決まる話でも、予定表に1時間で入っていると1時間話す。 会議を25分や50分で入れる会社があるのは、終わりを先に決めるため。

  • スマホの容量

    64GB のときも 256GB のときも、だいたいいつもいっぱい。 時間だけでなく、置き場所やお金も「あるだけ使う」方向に膨らむ。

持ち帰るとしたら

時間が足りないのではなく、時間があるから足りなくなる。 締め切りは、守るためだけでなく、仕事を小さく保つためにある。

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